- ●科学館天文台のQ
- ●星の観察のQ
- ●天体望遠鏡のQ
A.
科学館天文台は、北から主天文台、副天文台、太陽天文台の順に分かれている。
主天文台は星雲・銀河のような暗い天体、副天文台は月や惑星など明るい天体、
太陽天文台は太陽観測に特化、というように観測対象に適した専用の望遠鏡と
しているため、3つの天文台として構成されている。
また、主・副天文台は、夜間公開時などは一般公開用望遠鏡としても利用され、
その折々に見られる様々な天体をそれぞれ分担しながら公開を行っている。
太陽天文台は、晴天時の日中は常時運用されており、太陽画像データの取得、
太陽画像データベースへの蓄積保存、科学館ホームページ上へのリアルタイム
太陽画像配信などの観測業務を行っている。
A. 口径65㎝、焦点距離7800㎜(口径比F12)の大型反射望遠鏡が設置されている。
大口径を生かしての(ヒトの目の8622倍の集光力。極限等級は15.84等)
星雲や銀河など暗く淡い天体の観測に適し、冷却CCDカメラなどで撮像する。
屈折式望遠鏡では同口径の場合、全長8m以上の巨大な望遠鏡となってしまうが
カセグレン式という主鏡~副鏡間を光路が1.5往復する光学配置をとり
大口径でありながらコンパクトな望遠鏡となっている。
定例の夜間観測会には観測用望遠鏡として一般公開されている。
A.
口径20㎝、焦点距離1600㎜(口径比F8)の大型屈折望遠鏡が設置されている。
反射望遠鏡に比べ、気流の影響を受けにくい安定した良像が得やすいため
明るくはっきりとした月や惑星などの天体の観測に使用する。
また反射望遠鏡では観測困難な、太陽や、日食時などの観測にも使用される。
さらに眼視・撮像観測だけでなく、太陽分光器を搭載しての太陽の分光観測も
行われ、天文部門が実施する観測実習でも利用されている。
また主天文台同様、夜間観測会では一般公開されている。
A. 口径15㎝屈折望遠鏡2機、同10㎝屈折望遠鏡4機、黒点自動スケッチ装置を同架し、
太陽観測に特化した6連式太陽望遠鏡システムが設置されている。
各望遠鏡には太陽観測用超狭帯域特殊フィルターが装着・設置されており
太陽の光球面から彩層まで、深部から表層に至る太陽各層の姿を観測する。
15㎝屈折望遠鏡1機にはベクトルマグネトグラフが搭載され、黒点磁場構造の
観測、撮像も同時に行われている。
得られた太陽画像は自動配信されており、科学館内並びに館ホームページ上で
誰でも自由に閲覧することができる。
なお、この太陽望遠鏡による観測は晴天時の日中常時行われている。
A. 昼間の公開
天文台ガイドツアーが晴天の土曜日午前、科学館入館者対象に開かれている。
参加者は、天文スタッフの解説で屋上の主・副天文台などの見学ができる。
主天文台では65㎝反射望遠鏡についての解説
副天文台では20㎝屈折望遠鏡についての解説、
また晴天時には、20㎝屈折望遠鏡による太陽黒点の観察も行える。
ただし黒点は日々、そして年々変化し、沢山見えるときも皆無の時もある。
見学や解説内容は一般向けだが、小学生ならば理解できるレベル。
天候や特別事業などで休止の場合もあるので、事前に問い合わせること。
A. 夜間公開
隔週土曜日の夜、晴れていれば、定例的に観測会が開かれている。
観測会は定員制。当日夕方に受付。定員になり次第締め切り。
観測会では、主天文台の口径65㎝反射望遠鏡
天文台の口径20㎝屈折望遠鏡を使って
その夜に見られる主な天体を観測する。
観測対象は、月や惑星、星雲星団など季節や時間、その時々により異なる。
(特別公開)
また日食や月食など特別な天文現象があるときにはこの日程に関わらず
随時、特別観測会などが開かれる。
(ライブ配信)
特に顕著な天文現象だが深夜・早朝など観測会の開催が困難な場合は、
インターネットによるライブ配信など行う場合もある。
天文現象は天候や時間に左右されるので、事前に問い合わせること。
A. 副天文台の20㎝屈折望遠鏡は月の全体像を見ることができる。
沢山のクレーターに覆われた南極地域、黒く滑らかに広がる海の領域、
大小さまざまな形状をしたクレーターなどを鮮明に観測できる。
また、土星リング、木星とその4つの月、色の対比の美しい二重星など
非常にくっきりと見え、これらの天体の美しさを感じることができる。
主天文台の65㎝反射望遠鏡では高倍率のため月の一部しか見えないが
クレーターの構造、山脈や谷、溶岩の流れたあとなど詳細に観測できる。
夜半過ぎなど気流が非常に安定し、良像が得られるような夜には、
土星リングの構造、木星の複雑な縞模様の様子などもよくわかる。
また冬場の月のない澄んだ夜には、淡く広がったオリオン大星雲の姿、
球状星団と呼ばれる星の大集団なども見ることができる。
A. 天文台では、観測会の時は望遠鏡を眼視観測用にセットしているため
そのままでは撮影はできない。簡易的にスナップをしようとしても、
視野になかなか入らなかったりピントが合わないなど、うまく撮れない。
撮影など一歩進んだ観測のためには、別の実習プログラムがある。
現在、行われているものには(夏の)黒点観測実習があり、
副天文台の20㎝屈折望遠鏡を使っての黒点のスケッチ観測と、
太陽分光器を使った分光観測プログラムで、例年夏休み期間中に
2週2日間の実習と講義が高校生以上の一般対象に行われている。
*天文台で天体の撮影をする場合、実際はこんな感じ
副天文台で月惑星などの明るい天体を撮るとき→
①望遠鏡を原点位置まで戻す作業 ②眼視観測用パーツ取り外し
③撮影用パーツ取り付け ④望遠鏡バランス調整(パーツごと重さが違う)
⑤望遠鏡再立ち上げ&目的天体導入 ⑥撮影開始 となる。
昔の銀塩写真時代と違い今はデジカメなので簡単である。
*ところが光害の影響を除去し星雲・銀河などを撮ろうというときには、
光害除去のため3色の狭帯域フィルターと冷却CCDなど特殊機材を使い、
同じ天体を各色ごと数コマ~数十コマずつ撮りわけて、
何十(百)枚にもなった画像を、積算やノイズ除去や画像較正などの
画像処理をやって、やっと1枚の写真出来上がりとかなりの手順がいる。
A. 川口では無理。最低限、県北まで行かないと見られない。
昔は県北の羽生あたりでも見えていたが最近は難しいという。
夏場なら秩父、長瀞あたりまで足を伸ばせばいい。
顔振峠とか、また山登り的になってしまうが
西武秩父線吾野駅などからすぐに登れる低山もある。
ただし、空はそれほど暗くはない。
県外では日光ぐらいまで行くときれいな空に出会える。
車中泊できるなら戦場ヶ原の駐車場が非常に良かった。
2001年11月、しし座流星群の観測で夜通しいたが死ぬほど寒かった。
あとは房総半島の海岸とかも選択肢としてあるが川口からは行きにくい。
またあまり海の近くだと湿気も多く、かえって地平方向の透明度が悪く
よく見えない場合もある。
車で泊りがけでというのなら選択肢は多数。
上高地、那須高原、尾瀬ヶ原、北軽井沢、美ヶ原、高峰高原などなど
海外では、オーストラリアの砂漠のど真ん中などもすばらしい。
A. 近場でというときは近所の公園など。見る方角にできるだけ街燈がない場所を選ぶ。
神社とかお寺の境内なども周りに木が植えられ周囲の光をさえぎってくれる。
川口で考えると、見沼たんぼのあたりも周りが開けていていい。
天の川はもちろん見えないけれど市街地よりはだいぶマシ。
視野が開けたところという意味では荒川の河川敷という見所もあるが
東京側の明かりが非常に明るい。
A. 星座早見盤を使う。星座早見盤は望遠鏡・地球儀メーカー・出版社などのもの各種ある。
大手書店、またはネット通販などで1000円前後で入手できる。
探したい星座が、何時頃、どの方向の、どの高さに見えるか調べておく。
ポイントは月明かりがないときに見ること。
市街地は空が明るいので、まず一等星を見つけ、それを中心に周りの星を探す。
星座の中(東~南~西)に惑星がいると一等星と見誤ることがあるが、
惑星はほとんど瞬かないので、ふつうの星と区別することができる。
星座早見を見るためライトを点灯するとき、赤い光にすると目がくらみにくくなる。
A. 星座探しに便利な星座早見だが、使い方を誤るとうまく探せない。
まず、星座早見外周の日付目盛りと、時刻目盛りを合わせる。
このとき、切り抜き窓の枠内に見える星が、その日その時の星空となる。
南を見る時。窓枠の南側を下、北側を上にする。
(このとき、左手方向は東、右手方向は西になるはず。)
そして窓枠の円周部分は地平線(地面)
窓枠の中心部分は天頂(頭の真上)
目的の星座が星座早見のどの方角にあるか、その方角側の地平線と天頂との
中心にあるか、あるいは中心より下側にあるか上側にあるかをチェックする。
それで目的の星座の見える方向と高度が分かるのでそれを目安に星座を探す。
北を見る時、窓枠の北側を下、南側を上にする(上下さかさまにする)。
あとは南を見る時と同様。
ポイントは窓枠内が空全体となること。窓枠中心部(回転軸ではない!!)が
天頂となることを知っておいて、方角と高度を頼りに探す。
A. 北極星は2等級の明るさだが、市街地ではあまり目立たず見つけにくい。
それらしい星があったとしても正しいかどうかわからないということもある。
そこで方角と高度を頼りに、そして時間を置くことで確認をする。
方角は真北。これは方位磁針で確認をする。このとき方位磁針は
建物(磁気を帯びている場合があるので)から少し離れてチェックする。
次は高度。関東地方では北極星の高度は35度程度。
天頂と地平線との中間よりやや下(10度)。
目安としては、中間点から、腕を伸ばして「げんこ」の縦1個分下あたりを探す。
~「げんこ」縦1個分はだいたい10度程となるので分度器代わりになる。~
それらしい星が、ぽつんと一つあるはずなので位置を確認しておく。
次、1~2時間置いて確認、そこに同じように見えていれば確かに北極星。
A. 惑星は見える時期や見える場所が年々違うので、まずそれを調べる必要がある。
だが、ある星を見たとき、それが惑星か普通の星かならある程度は見当がつく。
まず、ふつうに見られる惑星は、火星・木星・金星。土星の4つ
木星・金星は1等星よりはるかに明るく、輝くという感じで光って見える。
火星は明るいときもあるが、ふつうは土星と同じような1等星ぐらいの明るさ。
ただ、色が赤っぽいのが特徴。そして・・
惑星は北の空には見えない。
惑星はほとんどまたたかない。
この2点を注意すればおおよそ見当がつく。
夕方に西空で輝いていれば金星の確率が高い(木星の場合もある)
真夜中に東~南~西でひときわ明るく輝いていれば木星の可能性が高い。
同様に南側の空で1等星ぐらいの明るさだが瞬いていなければ
土星か、それが赤っぽければ火星の可能性がある。
A. 三脚にカメラを固定して撮る固定撮影法が手軽。
撮影は月あかりがないとき、撮影方向に街燈などない場所で。
カメラの感度設定はISO1600とか高感度側にセットし露光を数秒かける。
絞りは開放か1段程度絞って。
この露光時間なら星がほとんど動かないので星座の写真が撮れる。
市街地は空が明るいので、真昼の写真のようになってしまう場合は
感度設定を下げるかして調整する。
三脚が貧弱だとシャッターブレするのでそれを避けるためには
撮影時にレンズ前を黒紙などで隠し、シャッターショックがおさまってから
露光を始める。従ってカメラの露光はバルブ、または十数秒とセットしておき
黒紙をシャッターとして使うことになる。
また、星の動きを撮りたいときはISO400とか感度を少し下げ、
絞りも2,3段絞って撮ることにする。
これでも市街地では真っ白・真昼写真になることが多いので
星の動き写真は(特に市街地では)撮りにくい。
なお、大きなカメラ店などでは、光害除去フィルターを置いてあるところもある。
それを使うと光害は幾分減らせるので天体撮影にはいいが値段が結構高い。
A. 最近のデジタル一眼レフカメラならどんなものでも使える。
コンパクトデジカメの場合は星の写真の撮り方にあるとおり
なるべく高感度に設定できるもの(ISO1600以上)
ある程度長時間露光ができるもの(30秒以上)
フォーカスが無限遠に設定できるものを選ぶようにする。
またカメラのレンズのF値はなるべく小さい(レンズ径が大きい)方が
天体写真には有利なので、そこも選定ポイントになる。
デジカメでオートフォーカスしかない場合、
星を撮ろうとしてもカメラ側でどこにピントを合わせていいか分からず、
ほとんどピンボケになってしまい撮れないというものもある。
無限遠設定またはマニュアルフォーカスへの切り替えができるかは
要チェックである。
A. 国立科学博物館(上野) 有料 20cm屈折望遠鏡
駿台学園(王子) 20cm屈折望遠鏡
川口市立科学館(川口) 65cm反射望遠鏡、20cm屈折望遠鏡
国立天文台(三鷹) 50cm反射望遠鏡など
さいたま市青少年宇宙科学館(旧浦和)
ほか多数、天文雑誌に詳しい。
A. 元東京天文台堂平観測所の望遠鏡が引退し
一般公開されるようになっている。
現在の名前はときがわ町星と緑の創造センター
望遠鏡の施設見学だけになってしまうが、望遠鏡としては県内最大
キャンプ場や宿泊施設もあるので都会地を離れての星見にはいいかも。
A. 国立天文台三鷹キャンパス
見学コースあり。観測所・天文台訪問参照 ここをクリック
A. 県立群馬天文台
A. 一番リスト
一番大きな星座は 1位 うみへび座 面積1303平方度
2位 おとめ座 面積1294平方度
3位 おおぐま座 面積1279平方度
一番小さな星座は 1位 南十字 面積68平方度
一番明るい星は 1位 おおいぬ座シリウス 明るさマイナス1.4等
2位 りゅうこつ座カノープス 明るさマイナス0.6等
3位 ケンタウルス座リギルケンタウルス 明るさマイナス0.28等
一番近い星は 1位 プロキシマケンタウリ 明るさ11等星 距離4.2光年
2位 アルファ・ケンタウリA 明るさ-0.01等星 距離4.4光年
B 明るさ 1.35等星 距離4.4光年
A. 肉眼で見える星
条件の良い山の上では6等星まで見ることができる。
星のカタログ(ヒッパルコス星表)には
0等< 9
1等星 21(上記0等星以上も含む)
2等星 68
3等星 183
4等星 585
5等星 1858
6等星 5503
7等星 16000
8等星 43000
9等星 120000
10等星 350000
とあって、1から6等星まで足すと、全部で8000個ぐらいになる。
半分は地面の下なので結局山奥でいっぺんに見れる星の数は4000個ほどということになる。
A. スーパーとかデパートのめがね売り場とかはあまり勧められない。
都内に望遠鏡専門店がいくつかあるので
そこで実際に(たくさんあるものの中から)操作してみて購入する。
アドバイス
専門店なら店員自身もアマチュア天文家という場合が多く
親切に望遠鏡選びを手伝ってくれる。
A. 望遠鏡は光学機器であり、また精密機器でもある。
数千円とか、1~2万円とかでは値段相応のものでしかない。
少なくとも4~5万円は出す覚悟でいたい。
アドバイス
実はメーカー選びが重要なポイント。
A. *取り扱いが楽なので初心者は屈折望遠鏡
ある程度口径の大きなものがほしいのならば反射望遠鏡というのが定番
*口径は屈折なら6~8cmぐらい
反射なら10~16cmくらい
*架台は経緯台式が安くていいが、今はこのタイプのものは少ない
経緯台だがパソコン制御で自動追尾できるものもある。
写真を撮ろうとか、自動追尾を求めるなら赤道儀式
アドバイス
旅行に持っていってきれいな空を見たいぐらいなら 双眼鏡を
月のクレータを見たいぐらいなら バードウオッチング用もいい
A. *赤道儀は望遠用の極軸を地球の自転軸と平行にセットするのが基本。
これで初めて望遠鏡を星の動きにあわせることができるようになる。
具体的には
望遠鏡の極軸を北に向ける。
極軸の傾きを観測地に合わせる(川口なら36度ぐらいにあわせる)
写真を撮らず見るだけならこれでも実用になる。
A. 倍率のかけすぎの場合が多い→低倍率に替える。
高倍率にすれば大きくは見えるが逆に画像が暗くなる。
望遠鏡の口径の10倍程度の倍率が一番見やすい。
例えば口径6センチなら60倍というふうに
また最大倍率は望遠鏡の口径の20倍程度まででおさえる。
A. 架台が弱すぎてグラグラしているとみにくい→グラグラしないよう補強する
A. 望遠鏡の光軸があっていないか→光軸をあわせ調整する
屈折望遠鏡はその仕組み上光軸が狂うことは少ないが
反射望遠鏡は狂いやすいので注意が必要。
あるいは本当に粗悪品→これはもう論外。科学館に持ち込めば診断。
A. ファインダーがあっていない→最初にファインダー合わせをする
倍率のかけすぎ→低倍率で探してから
→使い方と関係があるが
望遠鏡にはファインダーがついている。(これは飾りではない)
あらかじめ、ファインダーで見たものが望遠鏡本体でも見えるように
調整をしておくことが必要。
昼間にでも遠くの景色を入れる。たとえば高層マンション屋上の避雷針
これを望遠鏡の死や中心に入れて固定、
この状態でファインダーでもその避雷針が視野の中心に来るように調整
A. 屈折望遠鏡にはガリレオ式、ケプラー式の2つがある。
ガリレオ式は対物レンズが凸、接眼レンズが凹となっていて正立像を見ることができ、
ハンディタイプの小型望遠鏡などは大抵ガリレオ式となっている。
ケプラー式は対物レンズが凸、接眼レンズも凸となっていて上下逆像を見ることになる。
これは、対物レンズ(または反射鏡)で作られた天体の像(実像)を
~このとき焦点の先にできた実像は上下さかさまになっている~
接眼レンズ(凸レンズで、虫眼鏡のように)で拡大してみるためである。
ここで、ガリレオ式の場合は正立像となるものの倍率を上げれば上げるほど視野が狭く
他方ケプラー式は逆像だが視野が広く見やすいということから
天体望遠鏡にはこのケプラー式が使われるようになった。
A. 望遠鏡の倍率は対物レンズと接眼レンズの焦点距離とで決まる。
倍率=接眼レンズの焦点距離/接眼レンズの焦点距離となる。
従って、接眼レンズで焦点距離の短いものを使えば倍率は大きくなる。
ただ、倍率が大きくなれば面積比で天体の像は暗くなる。
一般に見やすい倍率は、望遠鏡口径(cm)の10~15倍程度と言われていて
例えば口径6センチ望遠鏡ならせいぜい100倍以内で見るのがいい。
A. 双眼鏡は倍率は低いが視野が広く使いやすい。
売られているのはポロプリズム式とダハプリズム式。
正像で見るためそれぞれ形式の違うプリズムが入っている。
天体用に使うならポロプリズム式のほうが光量のロスが少なく
暗い天体を見るのに適している。
立体感もあり、月などの天体を見るには良いが、やや重い。
自宅で三脚につけじっくり見るには好適である。
ダハプリズム式は直線的な形状で軽く使いやすいが
反射のためのメッキ面がありやや光量をロスする。
旅先など持ち運びには好適である。
高倍率を謳うものもあるが天文用としては推奨しない。
像が暗くなるだけである。
天文用としては口径50mmぐらいのものが良いが重くなる。
一般には口径35mm、倍率8から10倍ぐらいが使やすいだろう。
A. 双眼鏡の選び方にある通り、高倍率をうたった双眼鏡は像が暗くなってしまい
望遠鏡代わりに使うことは(大型双眼鏡でもない限り)難しい。
また視野が非常に狭くなるのでそのままでは天体の導入も難しく、
さらにはうまく目的天体がはいったとしても手ぶれで細かな観察は無理である。
月や木星など、非常に明るい天体の場合は何とか見ることはできるかもしれないが
双眼鏡を三脚などの架台にしっかり取り付けてぶれないようにすること、
そして倍率もせいぜい20倍どまりぐらいにして見るのがいいだろう。
市販の小型双眼鏡の中には数十倍ズームなどと表示するものもあるようだが
これは論外で、選択肢からは外した方がいい。
A. 白い投影板に映してみる投影法が一番安全。
投影板がないときは、工作用紙など厚手の白い紙を代用する。
絶対に直接見てはいけない。危険!!
A. 太陽観測用の対物フィルターを取り付けてみる。
安全に安定して見られるが、口径が大きくて良質のものは数万円以上と
非常に高価なのが難点。
なお減光率が不足する(まぶしい)時は眼側にも減光フィルターをつける。
また簡易的に、接眼レンズ側にサングラスをつけてという方法もあるが
これはできる限りさけること。ほかにまったく方法がないときは
望遠鏡の口径を1~3センチまで絞って。さらに観測は長くも数秒。
~口径6センチ以上だと、太陽を入れた直後に熱で割れる場合がある。
A. 星雲は天体写真のようにははっきりとは見えない。
天体写真は暗い星雲の光を何十分間も貯めることで
その姿をとらえているから、その分はっきりと写すことができる。
目で見た星雲の姿は、うっすら白い非常にかすかな雲のようで
その姿から星の雲という呼び方をされているわけである。
街中では、それに空の明るさが加わり余計に見えにくくなる。
望遠鏡の視野の中に入っていても、それでも見えない、
ということも幾度もある。
街中で、小さな望遠鏡でも何とか見ることができるのは
冬のオリオン大星雲、秋のアンドロメダ銀河ぐらいしかない。