天文FAQ

身近な天文のQ

Q. なぜ地球(星)は回っているのか?

A. 地球だけでなく、惑星や星、すべての天体は回転している。
天体はガスやチリが自身の重力で引き合い中心に集まってできる。
このとき互いに何の影響も及ぼさず集積すれば回転しないだろうが、
それは現実には不可能で、
わずかのムラや乱れがあればそれは周囲に波及、いくつも渦ができる。
それらが成長合体し残ったのが天体の回転となる。
このように考えれば地球や星は回っているのが当たり前で、
回っていないのは極めてまれといえるだろう。

Q. なぜ月は丸いのか

A. 月はきれいな球体ではなくややいびつな西洋ナシのような形状をしている。
月が作られたとき、月の全体は融け大きな溶岩の塊のようになった。
固体は大きな力が加わらない限り変形しにくいが、液体は気体は変形しやすい。
融けていた月は自らの重力で中心に集まり、形が整えられ今のような球体になった。
地球などの大きな惑星、そしてガス体である星も、宇宙のほとんどの天体は
自己重力によって均等に収縮し球状になる。

Q. 上ってきた月が大きく見える。なぜか?

A. 地平線近くの月はとても大きく感じる。
だが、頭の上に来たときと大きさを比べると大きさは変わらない。
厳密には地平線に見えているときの月は、頭の上にあるときと比べ
地球の半径分6000キロだけ離れた場所から見ていることになり
実はそのぶん小さく見えているはずだ。
それでも大きく感じるのは、
手前にある地上の建物が、離れれば豆粒のように小さくなり、
それに比して月の大きさは、もともと遠くにあるので変わらないため
余計に月が大きいと感じてしまうからだ。

Q. 星はどうして☆型なのか?

A. 冬の夜は特に、星たちがきれいにまたたいている。
このまたたきは地球の大気が常に揺れ動いていることで起こる。
星の光が大気を抜けてくるとき、密度の異なる箇所を通ることで
そこでランダムに屈折するため像が乱され、点像ではなく☆型に感じるのだ。
望遠鏡を使い、高倍率をかけてある一瞬の星の姿を撮ると
星は明暗模様の光の斑点のように見える。これをスペックルという。
今では、これを逆に利用し、極めて近接した連星を高い分解能で測定できる
スペックル干渉計や、また大気の動きによる星像の乱れ具合を測定し
それを瞬時にキャンセルして乱れのない星像を観測できる補償光学系など
様々な装置が開発されている。

Q. 星の数は何個ある

A. 山で見る星の数は数え切れないほどあるように見える。
が、目で見える数と限定すると6等星までで、全天で6000個ほどとなる。
そのうち半分は地平線の下だから、一度に見えている星の数は実際には3000個ぐらい。
だが、双眼鏡や望遠鏡を使うと次々と暗い星も見えるようになる。
私たちが見ている星はほとんどが天の川宇宙に属しているものと考えていいので
その数は2000億個ほどと言われている。
宇宙には天の川宇宙と同じような銀河が2000億もあると考えられるので
結局私たちの宇宙には2000億×2000億の星があるということができる。
だが現代科学は、宇宙は私たちの宇宙だけでなく、ほかの宇宙もあると考えられるという。
とすればまさに星は、星の数ほど・・・とても数え切れない

Q. 昼間でも星は見える?

A. 透明度の良い澄んだ空なら、昼間に星を見ることはできる。
見えるのは金星などの非常に明るい星で、どのあたりに見えるのか
調べておけば、青空の中に光る点として探し出すことができる。
チャンスは金星の最大光輝の前後、このころの金星は明るさがー4等以上、
ふつうの1等星の100倍もの明るさで輝くので、見つけやすい。
探すコツは、なるべく南の空にあるときに見ること。
雲一つない青空の中では、目はどこにピントを合わせていいか分からないので、
始めに遠くの景色を見て無限遠のピント位置を体に覚えさせ、
それから探すようにすると見つけやすくなる。
また望遠鏡があれば、明るい1等星なども見ることができる。

Q. 星座を作ったのは誰?

A. 星座の起源は数千年も前に遡るものと考えられている。
星座は古代メソポタミア地方の羊飼いなどの間で自然発生的に作られ、広まっていった
と言われているが、実際はよく分かっていない。
ただ黄道12星座のような、太陽の動きに関わる星座などは早くできたのだろう。
これらの星座の知識はその後ギリシャに伝わり、
紀元前3世紀ごろには、ギリシャのアトラス(詩人?)により、
ギリシャから見える44星座をまとめた書が出されている。
さらに西暦100年代にはプトレオマイオス(トレミー)も、
その著書アルマゲストの中で48星座をまとめている。
このように、紀元前3~紀元2世紀ごろの時代には、今我々が知る主な星座は
できていたことが分かる。なお、プトレオマイオスの48星座は次のとおり。
アルゴ、アンドロメダ、いて、いるか、うお、うさぎ、うしかい、うみへび、エリダヌス
おうし、おおいぬ、おおかみ、おおぐま、おとめ、おひつじ、オリオン、カシオペア
かに、からす、かんむり、ぎょしゃ、くじら、ケフェウス、ケンタウルス、こいぬ
こうま、こぐま、コップ、こと、さいだん、さそり、さんかく、しし、てんびん
はくちょう、ふたご、ペガスス、へび、へびつかい、ヘルクレス、ペルセウス、みずがめ
みなみのうお、みなみのかんむり、や、やぎ、りゅう、わし
その後、16~18世紀にかけ、バイエル(独)、ラカイユ(仏)などにより南天の星座など
追加され、現在の88星座となった。

Q. 星座は全部で何個?

A. 現在定められている星座の数は88星座ある。
トレミーの48星座(西暦120~140年代)
バイエルの12星座(16~17世紀)
インディアン・きょしちょう・飛び魚・かじき・孔雀・はえ・カメレオン・鶴
ふうちょう・ほうおう・みずへび・南の三角
ラカイユの18星座(18世紀)
画架・顕微鏡・コンパス・定規・彫刻具・彫刻室・テーブル山・時計・八分儀
望遠鏡・ポンプ・はえ・帆・とも・羅針盤・竜骨・レチクル・炉
など、時代時代により付け加えられたり削除されたりしながら現在の数となった。

Q. 星座は何の役にたつのか?

A. 星座は星空の地図である。
地図では、国名を言うだけで、その国がどこにあり、どんな大きさや形か、
どんな人が住んでいるか、首都はどこかなどすぐに分かる。
星座も同様。星座名を言えば、いつ頃見え、どんな形か、どんな星があるか
すぐわかるようになる。そのようなことで古代の人は、目立った星々を結び、
そこに様々なものをあてはめ、星座を作り出した。
そして星座を目印に季節変化を知り、暦を作り、生活に役立ててきたのである。
現在では星座は(天文学的な意味は希薄だが)、そこに含まれる様々な天体の
大まかな位置を表す、いわば、地図上の国名のような役割を果たしている。

Q. 初日の出、日本で一番早いのは?

A. 島を除外すれば、富士山頂が一番早く初日の出をみることができ、
だいたい6時42分頃となる。
これは高所ではその分、地平線下まで見通せるからである。
ここで元旦の日の昼夜境界となる領域を調べてみると、
地図上では南北に1時方向に伸びるようなラインとなる。
(正確には地球の自転軸の傾き24度ほどの角度。
地球儀があったら電球の光を当て実験すれば一目瞭然)
このラインは時間とともに西側にずれる。
本州で最初にラインに接する地点は千葉県の犬吠埼あたりで
6時46分ごろとなる。 
富士山はそれより少しあとに接することになるのだが 
前記、高度が効いて結局一番早く日の出が見えることになる。
これが夏至時期では昼夜境界ラインはだいたい11時方向に伸びる。
このラインが最初に接する地点は北海道知床半島あたり。
日の出時刻は03時35分頃~東京では04時25分頃
また春分秋分時期の昼夜境界ラインは12時方向に伸びる。
このラインと最初に接するのは北海道の納沙布岬あたり。
日の出時刻は春分が05時21分頃、秋分が05時6分頃
~東京ではそれぞれ05時45分頃と05時29分頃

Q. なぜ午前、午後、正午と言うのか?

A. これは昔の方位や時刻の表し方が元になっている。
方位、時刻はそれぞれ十二支で表わされ、順番に子丑寅卯辰巳・・と
十二等分して当てはめていく。まず、方位は
北から子(ね)・・東を卯(う)・・南を午(うま)・・西を酉(とり)
また、時刻は1日を2時間毎に区切って
0時を子、2時丑、4時寅、6時卯、8時辰、10時巳、12時午
14時未、16時申、18時酉、20時戌、22時亥とする。
ここで12時がちょうど午(うま)の時刻となるので、従って
12時を挟むその前を午前、後を午後と呼ぶことになる。
そして12時ちょうどを正午としたわけである。
このほか、真南から真北を通る線のことを子午線と呼ぶが
これも上記、方位で見たように南が午(うま)、北が子(ね)となり
これで子午線と称したわけである。
同様に北極星のことを、子(ね)の星ということがあるが
これも方位の北が子(ね)に当たるからである。

Q. 春分秋分、昼と夜の時間の長さが違う?

A. あるときの春分の日の日の出は05時45分、日の入り17時53分
また秋分の日の日の出は05時29分、日の入り17時38分と、
それぞれ太陽の出ている時間が8~9分長くなっている。
これは日の出入りの定義が、
太陽の上端が地平線に接する時とされており、
太陽が自身の?直径分だけ沈まないと日の入りとならないためで、
これで約2分余分にかかること。
更に、地平線近くでは大気により太陽が浮き上がって見えるので
地平線下50分(角度1度弱)に達した時を日の出入りとしているため
これで日の出入りあわせて約6分余分となり、あわせて8分ほど
太陽の出ている時間が長くなることとなる。
これは夏至や冬至のときも同様で、
夏至のときの日の入は、一番遅くにはなっていないし
冬至のときの日の入りも一番早くではない、ということになる。

Q. なぜうるう年があるのか

A. 地球はほぼ24時間で1回転しているが、これが1日の単位となっている。
そして、太陽の周りを1年かけて1周していて、これが1年365日の単位となる。
しかし、太陽の周りを完全に一周するには実はもう少し余分に時間がかかっていて
その値は365.2422日。つまり365日だと完全に1周できず0.2422日ぶん足りない。
そこで4年に一回、余分にうるう年を入れることで足りない分を補い、
地球が完全に1周できるように調整する。これがうるう年が作られた理由だ。

Q. うるう秒?は何年に一度?

A. 時刻合わせはもともとは地球の自転運動を基準としていたが、
原子時計のような超高精度の時計の登場により、自転速度自体が変動している
~季節的な変動や永年変動(徐々に遅れる)~ということがわかってきた。
その変動は微小だが、そのまま放置しておくと現代社会では支障が出かねず
そのため原子時計を、ずれた地球の自転に合わせるため導入されたのがうるう秒で、
何年かに1回、日本では午前9時00分00秒(世界時0時00分00秒)の1秒前に
午前8時59分60秒を入れ、調整するようにしたもの。
ただ自転運動の変動は不規則のため、うるう秒を入れるタイミングは一定ではなく、
世界各地で行われている地球の自転運動の観測データを取りまとめる国際機関
IERS:International Earth Rotation Serviceがうるう秒の挿入タイミングを決め
それに基づいて数年に1回程度の頻度で世界中一斉に調整が行われている。

Q. 昔の暦は、なぜ1月遅れなのか

A. 月の満ち欠けの日数を基準にした旧暦(陰太陽暦)では、
1年の長さが太陽暦に比べ11日ほど足りなくなるため、
~1朔望月=1ヶ月=29.5日、29.5日x12ヶ月=354日~
3年に一度うるう月を入れ、1年を13ヶ月とするなどの調整をしていた。
~11日不足/年 3年分で約1ヶ月~、
そして、冬至、春分、夏至、秋分を含む月を、11月、2月、5月、8月と決め、
季節とのズレが大きくならないように工夫をした。
これが太陽暦の冬至12月=旧暦の冬至11月、以下同様・・と、
旧暦が1か月遅れになる理由となっている。

Q. なぜ雨の多い7月にたなばたがあるのか

A. 旧暦と新暦の違いが原因。
旧暦は月の満ち欠け(29.5日)をもととした暦で、太陽の動きをもととした今の暦と異なり 
29.5×12か月=354日と、1年に11日ほど不足している。
何年もたつと、(太陽の動きをもとにする)季節とのずれが大きくなるため、それを補うよう
時により1年を13か月とするうるう月を入れたりして調整をする。
また、春分や秋分をそれぞれ旧暦2月、旧暦8月とするとしているため
旧暦でいう7月7日は、今の暦ではほぼ1か月先の8月ということになる。
したがって旧暦の7月7日では関東も梅雨も明け、晴れた空に七夕星を見ることができるが
今の暦では梅雨時期のたなばたとなってしまうことになる。

Q. なぜお月見の日は毎年違うのか

A. 中秋の名月の日は毎年9月から10月の間になり定まった日にちというのはない。
また中秋の名月の日は必ずしも満月のときとは限らない。
中秋の名月の日の決め方→
まず、中秋の名月の日は旧暦8月15日と決められているが
月の満ち欠けを基準にした旧暦(新月のときが月初め、1日となる)でも
実際の月の運行が複雑なため完全には一致できず満月にあたらないときがでてくる。
そして、中秋の名月の日だが
新月から満月そして新月へと戻るこの期間(平均で29.5日)を1朔望月というが、
旧暦では秋分の日を含むある1朔望月を8月とするとしている。
7月が初秋、8月が中秋、9月が晩秋というわけである。
このことと、前述した旧暦8月15日が中秋の名月という2点から計算し求める。

たとえば2016年の秋分の日は9月22日
これを含む1朔望月が旧暦の8月の期間である。
この期間の初めの新月の日は9月01日、これが旧暦の8月1日となる。
14日後が旧暦8月15日になるわけだから
9月01日+14日→9月15日で、2016年の仲秋の名月は9月15日となった。
○月の形とよびかた~満月以降
月の名称        旧暦
●小望月        14日
●中秋の名月     8月15日
●十六夜        16日
●立待月        17日
●居待月        18日
●寝待月 (臥待月)   19日
● 更待月       20日
●二十三夜       23日
●二十六夜       26日
●十三夜       9月13日
これらの月はだんだんと上ってくる時間が遅くなってくる。
昔の人は皆で集まり、月の出を待ちながら過ごしたという
そんな身近な例が、さいたま市に残る二十三夜の地名

Q. 月見だんごの数はいくつ?

A. 月見の行事は中国から伝わり、江戸時代には庶民の間にも広まったとある。
観月と歌よみの催事に、秋の実りに感謝するという意味合いが加わって
収穫したものを供えるという形となったのだろう。
供える団子の数は、十五夜なので15個とか、年に12回満月があるので12個とか
諸説あり(十五夜のあとの十三夜には13個とかもある)定まらない。
また関東では満月のように丸い大きめの団子を供えるが、
関西ではやや長めの団子(十五夜の月の呼び名、芋名月にちなむ)で
さらに雲に見立てた餡をからめる、またはサトイモも添えてとか、
地方によっても異なっているという。

Q. スーパームーンとは?

A. 年内で最も大きな満月のことをスーパームーンと呼んでいる。
月は地球から38万キロ(平均距離)ほどの距離を楕円軌道を描いて回っている。
そのため最も地球に近いとき(近地点)と遠いとき(遠地点)では
35万6千キロ~40万7千キロと5万キロほどの距離の差が出てくる。
そのため近日点付近で満月となる場合と遠日点付近で満月となる場合では
14%ほどの大きさの違い、面積比(明るさ)では30%の違いとなる。
平均距離から考えると大差なく、その違いを実感することはないはずだが
最小に比べるとという意味で毎年言われるようになってきたものである。
このスーパームーンという用語が最初に使われたのは1979年のことだが
~NASAのWebサイト Solar system explorationによる~
最近では特に近地点の近くの満月のことをエクストリーム・スーパームーン
などとも言うようになっている。

Q. ブルームーンとは

A. 一か月のうちに2回満月となる場合、その2度目の満月のことを
稀にしか起こらないという意味を込めてブルームーンと呼んでいる。
これが近年のブルームーンの使い方だが、もともとの意味は違う。
月の満ち欠けはほぼ1か月(29.5日)で繰り返されている。
そのため、満月となる日を見ると、通常1か月に1回だけになる。
だが月初めが満月のときには、月末に2回目の満月がくることがある。
これは2、3年に1回起こる現象だが、この場合、2月には決して
ブルームーンは起こらないことになる。
伝統的なブルームーンの使い方では、
春夏秋冬の季節の中で、1シーズン中に4回満月になる場合、
(上記理由と同じ、通常は満月は1シーズンに3回)
このときの3度目の満月のことをブルームーンと呼んでいる。
満月は月ごとに季節に応じた特別な名前で呼ばれており
(例 1月狼月、6月苺月、9月収穫月、10月狩猟月など)
これが1シーズンに4回満月になる場合は、3つの名に収まらない。
そこで3番目の満月をブルームーンと呼んだということである。

Q. どうやって星の距離を測ったのか

A. 月など近い天体の距離は三角測量~地図などを作るための距離の測量法と同じ
遠く離れた二か所からの天体の見通し角度を測って距離を求める。
二か所の間が(基線長~たとえば地球の直径、地球太陽間の距離など)
離れていればいるほどより遠くの天体までの距離を正確に測ることができる。

A. 遠くの天体はその天体の真の明るさを何らかの方法で知り(変光星・超新星を利用)、
見かけの明るさとの差から距離を求める

A. 銀河などさらに遠い天体は、宇宙膨張を利用しその後退速度から距離を求める。などなど

Q. どうやって星の大きさを測ったのか?

A. ある程度近くて直径の大きな恒星はマイケルソン干渉計という手法を使い
直接その視直径を測ることができる。あとは距離さえ何らかの方法で分かれば
三角測量の要領で直径を直接求めることができる。さそり座のアンタレスや
オリオン座のベテルギウスといった太陽の数百倍もあようなる巨大な星は
このようにして距離を求めることができた。
一方、遠距離の星は視直径の直接観測はできないので、温度と明るさを測定し、
このことから大きさを求めていく。星の表面温度は色(スペクトル)で分かり
明るさ(絶対等級)は見かけの明るさと、星までの距離から求めることができる。
温度が分かれば、単位面積あたりの放射エネルギーが分かり、
絶対等級が分かれば星の全放射エネルギーが分かるので、
これから星の表面積を求め、結果、大きさを求めることができる。

Q. どうやって地球や太陽の重さを測ったのか?

A. 星の重さ(質量)と、引力の強さには関係がある。
重い星ほど引力が強く、軽い星ほど引力が弱いという関係で
それを表したのがニュートンの万有引力の法則。
この法則を利用すれば、引力の強さから地球や太陽の重さを知ることができる。
→地球の場合、地上実験で引力の強さを測り、そこから地球の重さを求める。
2つの物体の間に働く引力の強さは、質量(M1M2)の積に比例し、距離rの二乗に反比例する。
これにかかる係数が万有引力定数G。
地上でものが落ちるときにかかる力は質量と加速度に比例する。
この2つをまとめると、地球の重さは加速度と距離(地球半径)の積をGで割った値となる。
(Gの値は地上実験で求められている)  
→太陽の場合、引力の強さを直接測ることはできない。
この場合、他の天体との関係~運動の様子~から引力の強さを求めることができる。
地球は太陽の周りを回っている。このとき、太陽の引力と遠心力とは釣り合っているので
そこから太陽の引力の強さがわかり、太陽の重さを求めることができる。。
遠心力は、地球太陽間の距離と地球の重さ、公転の速さ(の二乗)とに比例する。
この遠心力=引力という関係から太陽の引力の強さを求めれば質量が分かる。
2つをまとめると、太陽質量は地球の公転の速さの二乗と距離との積をGで割った値となる。
→ 更に遠い星の場合はどうするか?
単独の星では運動の様子がわからないのでうまくいかないが
星の世界には連星~2つの星が回りあっているような世界~が多数あるので
その運動を観測すればいい。ただ、地球~太陽のように質量差が大の場合とは異なるので
ほんの少し手間は必要だが、基本の考え方は変わらない。
というふうに、天体の質量は、その系で働く力の強さから求めていくことになる。

Q. 人工衛星?飛行機?、見分け方は?

A. 地球の周りには運用中の人工衛星が2000機もあり、夜空を見上げていると
国際宇宙ステーションをはじめとするいくつかの人工衛星の通過を見ることがある。
人工衛星の通過は昼間は見ることができず、見られるのは朝方か夕方の時間帯。
これは人工衛星が自分からは光を出さず、太陽の光を反射して光って見えるためで
そのため日の出前か日没後何時間の間だけ見えるということになる。
一方、飛行機は夜間は、尾翼などライトを複数点滅して飛行するので
この点から簡単に人工衛星と区別することができる。
以上まとめると、人工衛星は点滅しない。光点は一つだけ。音もしない
夜明け前、日没後に見える。

Q. 宇宙ステーションの中は重力がない?

A. 宇宙ステーションではモノが皆浮いていて重力がないように見える。
だが重力は常に働いている。それが浮いて見えるのは
宇宙ステーションも人もモノも皆同じ速さで落ち続けているからだ。
地球の周りを回るという宇宙ステーションの動きは、
横に動く+下に落ちる という動きがあわさったものになっている。
重力と遠心力の釣り合いという見方でいうと、
地球を回る宇宙ステーションは重力がなければふり飛ばされてしまう。
このふり飛ばされる速さと、重力で落ちる速さが釣り合っているため
宇宙ステーション自体も中の人やモノも浮いて見えることになる。
これが宇宙ステーション内でも重力が働いているはずなのに
まるで重力がないかのように見える理由となる。

Q. 黒点の数と地球温暖化は関係ある?

A. 何年か前、英国の研究者により、太陽の黒点数と地球の平均気温について
その関連性を調べた研究がなされていたが、それによると直接的な相関関係は
見られないという結論だった。 少なくとも数年、数十年というオーダーでは、
地球全体の大気の流れの影響の方が気候変動に大きくかかわり、
(人因的な温室効果ガスの増加もあるが) 太陽活動の影響は見られないといえる。
ただし、数百年、数千年というオーダーでは、黒点数の変動と気候変動が
同じようなグラフをたどっているというような研究はあり、長期的にも関連は皆無
であるとは言えない。ただし、それが偶然なのか、物理的にリンクしているのかは
まだ分からない。