
夕方の西空の4日月。こんな風景は秋から冬にかけ科学館の天文台からよく見られる。
このように細い月の時には、地球からの照り返し=地球照によって、
月の影の部分がうっすらとみえるときがある。
月齢1.6の糸のように細い月。街中では周囲の建物に隠れ、
また空の透明度が悪いと、かすかにしか見えずなかなか撮影できるチャンスがない。
そんなワンチャンスにコンパクトデジカメで手持ち撮影したもの。

月の通り道~白道と、太陽や惑星の通り道~黄道はかなり接近しているため、しばしば横並びで見えるときがある。
これは金星が細い月に大接近した時、月の影の部分が見えるがこれが地球からの照り返し、地球照という。
目で見ていてもなかなか気づかないが、こうして全く同じ撮り方で 撮影した月を比べてみるとその違いがよくわかる。
月の満ち欠け
月齢3
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月齢18
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月齢22
月齢23
月齢24
月齢26
月齢27
- 月は満ち欠けを約29.5日で繰り返し、昔は暦として使われた(太陰暦)
- それらの中、一番親しまれたのが満月。特に秋の一夜は月を愛でてお月見を
上)2024年09月17日20h30m 中秋の名月(満月は09月18日)
旧暦08月15日の月、必ずしも満月とは限らない
800mmF5.6望遠レンズ使用、中心部をトリミング
下)2024年10月15日21h00m 十三夜月
旧暦09月13日の月
十五夜月と十三夜月の両方の月を見るのが秋の月見のフルセット
科学館主天文台同架15cm屈折望遠鏡
上弦すぎの月。直焦点撮影
右手やや上部に単独で離れて見えるのが危難の海、
その左には月のウサギ模様が逆立ちして見える。
ウサギの顔に見える部分が静かの海、右のやや太い耳が豊かの海、
左の細い耳が神酒の海、胸から胴体にかけて晴れの海、雨の海と続く。

拡大して見た月面。月の南極側(望遠鏡で見たように天地が逆になっている)
南極側は沢山のクレーターが集積している。かってあったと考えられる月の重爆撃時代の名残りである。
クレーターの形状をよく見ると小型のものは単純な丸い形のものが多いが、
大きなクレーターはその中央に突起=中央丘が
あるもの、クレーター内壁が幾重にも重なるもの、
クレーターの生成順序を知る手がかりとなるクレーター同士の重なりなど
多様な様子がわかる。

画面中央の斜め横に走る地形はアルプス谷。その右の明暗境界線に見えるクレーターがプラトー

左端の丸い滑らかな地形は危難の海。その右が静かの海、下側は晴れの海。

大型のクレーターが鎖のように続く。下端の上下に3つ並んだクレーターは、
下からプトレマイオス、アルフォンスス、アルザッケル。
上部の大きなクレーターはデランドル。その下には有名な雲の海の直線壁も見えている。

月面で最も明るく目立つアリスタルコスクレーター、その横に蛇行して見えるのがシュレーター谷。

満月のころ、周囲に大きく広がった光条を放つティコクレーター。
このように光条を持つクレーターは、かっての隕石衝突の名残を
残すものであり、月のクレーターの中では比較的新しいものといわれている。

右の半弧状に見えるのが虹の入江。月の観光名所とも言うべき地形である。
左の内部が平坦なクレーターはプラトー。ところで・・・
これらの様様なクレーターは、40億年ほど前の隕石の重爆撃時代に
形成されたものと考えられているのだが、
なぜこの時代にそれがあったのかまだ理由はよく分かっていない。